第12章 配送センター計画例
システムの根本的な変容: データの単位が「ケース」か「バラ」かによって、物流システムそのものが全く異なるものになることを示す実例となっています。
計画策定の重要性: 出荷形態(単位)の違いが、物流センターの設備選定や運用フローなど、システム設計の全般に決定的な影響を与えることが強調されています。
Ⅰ はじめに
仮定条件の必要性: EIQ分析結果のみでは計画立案に不十分なため、不足している要素を仮定条件として補完して進めます。
柔軟な解釈と多様な結論: 数学のように単一の正解が出るわけではなく、データの読み方や条件の置き方次第で、計画の答えは人により多様に変化します。
EIQ法による計画の3要素:
繰り返し法: 計画の進行過程で他の条件との不整合が生じた場合、既定の数値を柔軟に変更・修正しながら最終案を固めます。
よい加減法: 在庫量などの流動的なデータは概略値として扱い、厳密すぎる数値に固執せず、実態に即した「ほどよい加減」の数値を採用します。
マクロ的視点: 既存のデータから全体の構造を俯瞰し、全体像を想定しながら計画を組み立てます。
Ⅱ EIQデータ
在庫量の状況: 現時点での在庫量は不明とされています。
配送センターの特性推定: 注文数量および出荷種類が少なく、総出荷数量が1678バラであることから、この施設は「小品種多量型」の配送センターであると推定されます。
データの有用性: 詳細な資料(例題EX0-DATA)はあるものの、E・I・Qの基本データを確認するだけで配送センターの概況を把握することが可能です。
Ⅲ DCスケール(EX0―レーダ)
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規模の算出結果: DCサイズは41,490 B-DCサイズ、DCスケールは204 B-DCスケールと算出されました。
配送センターの規模: 規模を示すDCスケールがB(バラ)単位で小さい数値であることから、この施設は「小さな配送センター」であると判断されます。
単位の読み替え: 算出された数値自体は「ケース」の例と同じですが、単位が「C(ケース)」から「B(バラ)」へと読み替えられています。
物量の具体化: 出荷数量の1,678バラは約70ケースに相当し、これは3パレット分(1パレット24ケース、1ケース24バラと仮定)であり、2トン車1台で運搬可能な分量です。
Ⅳ 在庫量および在庫種類
1. 在庫量の仮定と倉庫規模の推定
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在庫設定の仮定: 在庫量は与えられていないため、配送センター計画上の必要条件として「平均出荷日の20日分」と仮定します。
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倉庫規模の算出: 1日あたりの出荷量を70ケースとすると、20日分で合計1,400ケース(約58パレット分)の在庫規模を持つ倉庫と推定されます。
2. 種類ごとの在庫量(最大・最小)の推定
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出荷量からの推計: IQ分析による1日の出荷量(最大267バラ、最小1バラ)に基づき、その20日分を在庫として算出します。
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算出結果: 最大在庫となる種類は約5,340バラ(220ケース)、最小在庫の種類は約20バラ(0.8ケース)程度になると予測されます。
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分析の比較検討: これらの数値は1日のEIQデータからの推定値であるため、実際の1ヶ月間のEIQ分析結果や、現時点での在庫ABC分析の結果と比較して検証することが推奨されます。
3. 種類ごとの必要在庫量の算出方法
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在庫推計表の作成: EIQ分析における種類ごとの出荷量を20倍することで、各品目ごとの必要在庫量を一覧化した表(EX0-EIQ-表7)を作成し、計画に用います。
Ⅴ どのような作業か。
IQ-PCB分析表(EX0-IQ-PCB 表10)から
ケース出荷= 28ケース
バラ 出荷=1006バラ(42ケース相当) である。
しがって、 パレットで保管し、ケースで出荷の P ⇒ C 28ケース
ケース で保管し、バラで出荷をする C ⇒ B 1,006バラ の倉庫作業となる。
Ⅵ ケース出荷
在庫特性と保管形態の推定: ケース出荷数は28ケースと少なめですが、IQ分析に基づく1種類あたりの在庫量は多く、上位2種類は200ケースを超えています。このため、保管は基本的にパレット単位が適しており、規模は「3段×20列=60パレット」程度と想定されます。出荷構成の分析: IQ-SIQ表(表5)によると、上位4種類で全出荷量の55%、上位17種類で96%を占めています。17種類目でも1ケースの在庫があることから、ほぼ全種類がパレット保管の対象となります。
ピッキングシステムの選定: IQ-PCB分析(表10)の結果、ケースからバラ(C⇒B)へのピッキングが1〜5ケース発生する品目が約10種類存在します。このバラピッキングの効率化を考慮すると、ケースフローラックの採用が適しています。
基本システムの結論: 保管エリアを「補管(補充用保管)」と「動管(ピッキング用動線)」に分離します。具体的には、補管としてのパレットラックと、数パレット分の奥行きを持つ動管としてのケースフローラックを組み合わせたものが、本センターの基本システムとなります。
Ⅶ バラ出荷
在庫量と保管形態の推定: ケース出荷自体は28ケースと多くありませんが、IQ分析から推定される1種類あたりの在庫量は多く、上位2種類は200ケースを超えています。そのため、保管は基本的にパレット単位(パレットラック等)が適しており、規模は「3段×20列=60パレット」程度と想定されます。
出荷構成の特徴: IQ分析(IQ-SIQ表)によると、上位4種類で全出荷量の55%、上位17種類で96%を占めています。17種類目でも1ケースの在庫があることから、ほぼ全種類がパレット保管の対象となります。
ピッキングシステムの選定: IQ-PCB分析に基づくと、ケースからバラ(C⇒B)へのピッキングが1〜5ケース発生する品目が約10種類あります。このバラピッキングの効率化を考慮すると、ケースフローラックの採用が適しています。
基本システムの結論: 保管エリアを「補管(補充用保管)」と「動管(ピッキング用動線)」に分離します。具体的には、補管としてのパレットラックと、数パレット分の奥行きを持つ動管としてのケースフローラックを組み合わせたものが、本センターの基本システムとなります。
Ⅷ EX0の基本システム
EX0の基本システムは、上記の仮定条件のもとに、パレット・ラツクの補管とケ ース・フロー・ラックのシステムとなる。 これらの保管方法の間口については、数日及び1月間のEIQ分析データで再検討 の必要がある。ただし、EIQデータは変動をするから正確な数値で決めることは出 来ない。建物のスペース、余裕度などを考えて 「 よい加減 」 に決定することがよい。Ⅸ レイアウト図

Ⅹ 代案
Ⅸのレイアウト図は一例であって、パレット・ラツクの間口を向かい合わせに2列 するとか現状の建物を考慮した配置とか、いろいろな案ができる。
ⅩⅠ 運用方法
1 EQ-PCB分析《表11》でわかるように、 1 軒の注文量が多い上に、小品種出 荷であるからシングル ・ ピッキングが効率がよい。 2 12軒中8軒はケースとバラの注文である。ケースはパレット・ラツクの補管か ら、バラはケース・フロー・ラックピッキングをし、出荷仮置場で、客先ごとにま とめる。
ⅩⅡ 代案
原案はEIQ分析結果からの基本システムであるが、実際には次のような代案が用 いられている。基本システムと比較をするとよい。
例題EX0は小規模なので、良 否の差があまりでないが、種類数、出荷量が多いと良否が明確になる。
代案 パレット保管として、パレット・ラツクからケースとバラのピッキングをお こなう案がある。
この代案を用いている配送センターはかなり見受けられるが、基本システムの 方がピッキング効率がよい。 特に、種類数、バラ・ピッキング量が多いときは、基本案を検討することであ る。