第5章 EIQ度数分析の読み方と考え方

Ⅰ. 度数分析の定義と基本

  • 度数分析の概要: 同じ数値、または特定の範囲(階級)に含まれるデータの個数(度数)を数え、データの散らばり具合を把握する分析手法です。

  • 階級と級間: データを区切る範囲を「階級(Class)」、その幅を「級間」と呼びます。通常は等間隔で設定されますが、EIQ分析では独自のルールを用います。

Ⅱ. EIQ分析における間隔(範囲)の特異性

  • 小口データの重視: 1~10の間隔が極めて重要であり、特に「度数1」は分析上大きな意味を持ちます。

  • 対数間隔の採用: 数値が大きくなると(100超など)10~20%の誤差は許容されるため、等間隔よりも「対数間隔(徐々に幅を広げる)」の方が合理的です。

  • 「範囲」の呼称: EIQ分析では「間隔」の代わりを「範囲」と呼び、対数度数分布を基本とします。

Ⅲ. 度数0(ゼロ)の重要性

  • 在庫管理への活用: 0を含めた度数分析を行うことで、在庫種類の中で「出荷が全くなかった種類(不動在庫)」が何種類あるかを把握するのに役立ちます。

Ⅳ. 主要な5つの度数分布表とヒストグラム

システム計画において、以下の5つの指標に対して度数分析を行います。

  • EQ度数分布: 客先ごとの1回あたりの注文量の分布。

  • EN度数分布: 客先ごとの1回あたりの注文品目数(ヒット数)の分布。

  • IQ度数分布: 商品(アイテム)ごとの出荷数量の分布。

  • IK度数分布: 商品ごとの出荷頻度(注文の重なり)の分布。

  • Q度数分布: 伝票の1明細(1行)ごとの注文量の分布。

Ⅴ. 分析の優先順位

  • EN・IKの優先: システム計画においては、EQやIQよりも**EN(注文点数)IK(出荷頻度)**の分析結果が有効であるため、これらから着手するのが定石です。

Ⅵ. 度数分布表とヒストグラムの併記

  • 視認性の向上: 具体的な数値(度数)と全体に対する割合(度数%)に加え、それらを視覚化したグラフ(ヒストグラム)を添付することで、ボリュームゾーンを一目で把握できるようにします。

Ⅶ. EQ(客先別注文量)の読み方と判断

  • 大口注文の特定: 100ケース以上の注文が多数を占める場合など、大口客先の割合を特定します。

  • 運用の決定: 1軒の注文量がパレット単位で大きい場合は、シングル・ピッキングが適しているといった運用上の判断を下します。

Ⅷ. EN(客先別注文品目数)の読み方と特性

  • ヒット数の傾向: 在庫種類に対して注文される点数が多いか少ないかを確認します。

  • 背景の推測: 在庫種類が少なく注文点数が多い特性は、食品メーカーから配送拠点(デポ)への出荷によく見られる傾向です。

Ⅸ. IK(商品別出荷頻度)によるランク付け

  • 売れ筋の把握: 注文の重複(IK)が大きいほど売れ筋商品です。

  • ABCランク: 重複回数に基づき、A(多)・B(中)・C(少)と商品を分類する基準になります。

Ⅹ. 度数の合計値の整合性

  • 計算の確認: 度数の合計は必ず以下の数値に一致します。

    • EQ・ENの合計 = 注文件数(E)

    • IQ・IKの合計 = 注文種類数(I)