第2章 EIQ分析要旨
I. EIQ分析の目的
EIQ分析とは、膨大な出荷データを分析し、その結果から配送センターのシステム計画や最適な物流機器の選定を導き出すための手法です。
II. データの「生きた情報」化
分析を成功させるためには、単なる伝票データを実務に役立つ情報へと変換するステップが必要です。
- サンプリング: 代表的な1日や1週間のデータで全体の傾向(型)を掴み、別途ピーク時のデータで最大負荷を把握します。
- 単位の統一(正規化): バラ、ケース、パレットが混在するデータを換算係数を用いて統一し、現場の真の作業負荷を可視化します。
- 階層化: 特性別(重量・温度帯)やABCランクごとにグループ分けし、精度の高い配置計画を行います。
III. EIQの定義
1. E(Entry:注文件数)
受注の「宛先」の数です。納品先が異なれば別Entryとしてカウントし、配送ルートや荷降ろし負荷を正しく把握します。
2. I(Item:種類数)
在庫管理の最小単位(SKU)です。物理的に区別されるものを1アイテムと数え、ピッキング時の棚へのアクセス回数を導き出します。
3. Q(Quantity:数量)
作業量の総体です。形状が大きく異なる場合はグループ分けを行い、保管設備の選定ミスを防ぎます。
| 客先(E) \ 種類(I) |
I1 |
I2 |
I3 |
I4 |
I5 |
I6 |
EN (点数) |
EQ (数量) |
| E1 |
3 |
5 |
1 |
2 |
3 |
- |
5 |
14 |
| E2 |
2 |
- |
4 |
6 |
7 |
- |
4 |
19 |
IV. オーダ特性の分析
オーダ・サイズ
各注文の内容(数量EQと品目数EN)を指します。1回あたりの注文規模を把握することで、梱包形態やピッキング手法の決定に役立てます。
オーダ・パターン
センター全体のオーダ・サイズの分布状態です。これにより、シングル・ピッキングかバッチ・ピッキングのどちらが能率的かを判定します。
V. 9つのキー・ファクター
| 分類 | 指標 | 内容 |
| 基本要素 | E / I / Q | 注文件数 / 種類数 / 注文数量 |
| 受注特性 | EQ / EN | 1件あたりの注文数量 / 1件あたりの品目数 |
| 出荷特性 | IQ / IK | 品目ごとの出荷量 / 品目ごとの出荷頻度 |
| 全体傾向 | サイズ / パターン | 注文の規模感 / 表全体の分布状態 |
VI. 分析手法の統合
EIQ分析は、以下の手法を組み合わせることで物流の実態を浮き彫りにします。
- ABC分析: 重要度によるランク付け。
- 度数分析: データのバラつきやボリュームゾーンの把握。
- PCB分析: 荷姿(パレット・ケース・バラ)ごとの相関分析。